【福祉未来価値創大賞2017 大阪府知事賞 銀賞】全国47都道府県で地域物産×福祉作業所の商品開発
2018.12.3 mon
株式会社グランディーユ×社会福祉法人共生シンフォニー
■参加動機
株式会社グランディーユは、精神障がい者、ニート・ひきこもりの雇用拡充を目的としたソーシャルファーム事業を行っております。株式会社で運営することで、より多くの方の雇用を目指しております。また近隣のB型事業所の方々にも連携を頂いております。
弊社で「旅するイリゼ」という企画をしているときに、福祉未来価値創造大賞を知りました。これは、全国47都道府県で展開していくお菓子の企画です。各都道府県内で食材を調達し、名産をヒントにして新たなお菓子を開発します。そしてそれを地元の福祉事業所にて生産頂き、全国に販売します。ちょうど滋賀県の米粕を使ったお菓子の開発をしていた時に、共生シンフォニーさまとの出会いがあり、大賞へのエントリーと同時に企画を進めていきました。
■企業課題とマッチング経緯
「旅するイリゼ」を企画していた当初から課題が2つありました。
一つ目の課題は「地産地消だけでは売れない」ということ。全国の地産地消のお菓子を作っても市場価値はあまりありません。だからといって、「障がいのある方が作った。」と全面に出して売ることはしたくありませんでした。商品にストーリーを与えようと試みましたが、そのストーリーが市場に伝えることができるのか疑問でした。この課題は今でも続き、試行錯誤しています。
二つ目の課題は、「福祉事業所の方の理解を得ること」でした。一見、福祉事業所の工賃がアップするなら、福祉事業所の方が企業のやり方に沿って動いてくれると思う方が多いかもしれません。しかし、新しい技術を覚えてもらい、一緒に商品開発をするとなるとそうとはいかない場合もあります。私たちの会社は近隣の福祉事業所の方に、お菓子の製造を頼もうと思っていましたが、なかなかマッチングが上手くできませんでした。原因としては福祉事業所の方が新しいことにチャレンジしようと思う方が少ないことと、それをする余裕がないからです。いくら「自分たちが全部買い取る」と説明しても、なかなか受け入れてくれませんでした。だから、事業を細分化し、細分化された事業ができる福祉事業所と複数マッチングしていくことが大切だと思います。そんな中で、共生シンフォニー様が受け入れてくれることになり、無事、福祉事業所の方と新商品を開発することが出来るようになりました。
■工賃向上プラン
●地域特産×障がい者・ニート・引きこもり雇用×デザイン性
地域の特産を活かした商品は沢山あります。しかしそこへ障がい者やニート、引きこもりの雇用を繋げる企業は多くありません。地域の課題である食材・人の解決を目指していきます。また女性が好むデザイン性のあるパッケージも、地域特産物商品には多くありません。もっとこうだったら良いのにな!と自身が考える一人の女性視点からパッケージデザイン・菓子デザインにもこだわりたいです。
●社会貢献をしたいけど仕方が判らないというニーズにマッチ
商品を購入することで、社会貢献ができることを伝えていき
たいです。世の中で、社会貢献をしたいけど仕方が判らない
という方の気持ちを、商品購入動機に盛り込ませていきます。
●販路拡大
「旅するイリゼ」の販路開拓に力を入れていきたいと思っています。持続可能に買い取り続けるために、一定の顧客層に届けられるようにしたいです。理解のある顧客層に届けられるようになると、おのずと「旅するイリゼ」のブランド価値が高まると考えています。また、今後も福祉事業所との事業が市場に上手く入り込めると、福祉事業所のスキル・工賃も自然に上がると考えているので、市場の隙間を狙っていきたいです。
■事業プラン
「旅するイリゼ」は弊社で行っている事業のひとつです。その他カフェ事業、弁当事業・ニート引きこもり障がい者支援を行っています。
これらの総合的な雇用モデル(下図参考)を全国に広げていきます。
1誰もが働ける場を全国へ
②女性視点の商品開発
③地元野菜や果物を使用
④地域の方々を雇用
⑤地域を活性化し量的・質的の豊かさへ
■参加後の感想
株式会社グランディーユ
代表取締役 小笠原 恭子 氏
「旅するイリゼ」の企画を考えていた時に、福祉未来価値創造大賞を知り、参加しました。ちょうど滋賀県の酒麹をつかったお菓子の開発をしたいと思っていた折に、福祉のお菓子メーカーでは信頼と実績のある、共生シンフォニーさまを紹介頂けたことは大変ありがたかったです。地元の食材を使っていきたいので、その食材探しから、提供して頂ける農家さん探しまで、場所も離れたところでは難しいこともありましたが、地元の福祉事業所さまのネットワークでその課題を補って頂けました。このモデルを成功させて今後、全国に広げていきたいと思います。