【福祉未来価値創大賞2019 大阪府知事賞 金賞】
無断キャンセル撲滅ール リピとる君
2020.2.1 sat
ソーシャルビジネスプラン部門
<機械化・システム化型>
タイシコーポレーション株式会社x社会福祉法人あさか会
日本では食品ロスが642万トンもあり、1年間にとれる魚の量(374万トン)を大きく上回っている。飲食店での無断キャンセルによる食品ロスが毎月発生していたことから、無断キャンセルをなくすシステムを開発し、運用を福祉事業所の委託している。
■ポイント
「無断キャンセル撲滅ールリピとる君」飲食店へ予約頂いたお客様に、予約前日にSMS(ショートメール)を送る「無断キャンセル撲滅―ル リピとる君」を開発。
システムではボタンを大きくしたりクリック数をできる限り少なくするように開発することで、障がいある方も使いやすくした。「リピとる君」への入力作業をあさか会に委託し、活用を始めた。
結果
1.無断キャンセル率の激減
これまで4%あったものが0.2%まで激減。
2.食品ロス削減
タイシコーポレーションが経営する3店舗での年間廃棄量が43.2kgから2.16kgに激減。
3.リピート率アップ
予約の翌日に御礼SMS を送ることにより、リピート率が23.4%アップ。
4.時短効果
今まで店舗営業前に予約確認の電話をしていたが、その時間が不要となったため、1日約30 分x3店舗x25 日= 月37.5時間削減。年間で450 時間の削減。
■ビジネスプラン
これまでは飲食店から予約確認の電話を行っていたが、電話に出られない方がほとんどで、予約確認に困っていた。その後、既存のショートメール(SMS)を送るシステムを導入したところ、無断キャンセルが減っていった。ところが、電話番号入力のミスやタイシコーポレーションの従業員がシステム入力を日々行うのは時間的に難しく、福祉事業所との協働を考えた。しかし既存のシステムは操作が複雑であったため、障がいある方も操作しやすいシステム開発を自社で行い、またマニュアルも作成した。誰もがシステムを使えるようにあさか会と協力し作り上げた。初めて福祉事業所と協働することになり、障がいある方の仕事といえば、掃除などの単純作業のイメージがあったが、このようにITとの組み合わせで新規事業が開発できるとわかった。障がいある方の雇用を増やすというテーマではなく、お客様の悩み、自社の悩みを障がいある方に解決してもらおうという考えになり、このようなビジネスプランが生まれた。「リピとる君」が普及することで、障がいある方の働くイメージを覆させる一つのキッカケになれると嬉しく思う。今後の展望としては「リピとる君」の加盟店を、現在の直営3店舗か2020 年には30 店舗、2021 年100 店舗、2022 年200 店舗の加盟を目指す。
■工賃向上
時給936円を支払っている。( 現在1時間程度の仕事)タイシコーポレーションが運営する3 店舗で月額約2 万円であるが、今後「リピとる君」導入店舗を増やし、30 店舗で月額約10 万円、100 店舗で月額約32万円、200 店舗で月額約64 万円までの支払う見込みを立てている。