楽しみながら繋がるプリザーブドフラワー教室
2018.12.3 mon
株式会社フォーユーカンパニー×NPO法人真成会、NPO法人ザ・ホープフル、特定非営利活動法人暁会、社会福祉法人日本ヘレン・ケラー財団
■参加動機
弊社では以下のビジョンと理念を掲げています。
<ビジョン>
社会に起こっている問題をビジネスを通じて取り組み、笑顔が溢れる世界を創る
<経営理念>
すべての人が幸せになる居場所を創りつづけ、すべての人に機会を与え、社会から愛され必要とされる企業を目指す。
設立してまだ4年の会社ですが、社会課題に対して本業を通じて解決することを使命としていることと、私事ですが、甥っ子がダウン症で身近な問題であり、福祉事業所の工賃があまりにも低いことを知り、何かしたいと思いました。
これまでにも既に「APSARA HAND PROJECT(アプサラ
ハンド プロジェクト)」というのを実施してきました。これはカンボジアの女性の就労を支援するプロジェクトです。カンボジアの女性たちが編んだ籠を適正価格で仕入れ、プリザーブドフラワー教室での教材として使用しています。同様のモデルで日本の福祉事業所での工賃の課題に取り組めないかと思い、福祉未来価値創造大賞に参加しました。
▲プリザーブドフラワー教室
■企業課題とマッチング経緯
弊社が京都と埼玉で運営するプリザーブドフラワー教室では、ピックという資材を使用します。これは、資材屋にてまとめて購入するので、仕入れ量が多くなります。弊社のようなまだ小さな教室では在庫となってしまいます。そこで、このピックを福祉事業所にて作成していただけないかと考えました。
もうひとつが、入会特典プレゼントとしてポーチの制作を依頼しました。フラワーアレンジメントでは、はさみやグリューガンなど道具がたくさんありますので、それを一式ポーチに入れてプレゼントします。
このピックとポーチの制作に対して、4団体が手をあげて頂きましたので、それぞれから試作を作り提案頂く運びとなりました。始めのうちはどの作業所の方も、手探りで作ってきていただきましたが、試作に対して何度かフィードバックをしていくうちに、ピックや資材としては、さをり織りのピック、クレイクラフトマカロン、またポーチも仕様が決まり毎月一定数を発注させて頂くこととなりました。
▲さをり織り
▲クレイクラフトマカロン制作の様子
■工賃向上プラン
第1ステップから第3ステップの資材の発注想定数は
次のようになります。
●第1ステップ:置き換え
資材(ピック・マカロン)
100円×20本/月×12か月=24,000円/年
ポーチ
1,000円×6個/月×12か月=72,000円/年
バッグ
2,000円×2個/月×12か月=48,000円/年
合計144,000円
●第2ステップ:新規コース設立
資材(ピック・マカロン)
120円×40本/月×12か月=57,600円/年
ポーチ
1,000円×12個/月×12か月=144,000円/年
バッグ
2,000円×4個/月×12か月=96,000円/年
合計:297,600円
●第3ステップ:資格認定コース
毎月2名 年間24名の資格認定
(220,000円/資格認定コース)
資材(数種類)
55,000円×24名=1,320,000円
ポーチ
1,000円×24名=24,000円
バッグ
2,000円×24名=48,000円
合計:1,392,000円
※実質工賃向上額は現在試算中です。
■事業プラン
今回の事業は3ステップを考えています。
●第1ステップ:置き換え
現在使用しているピックで、福祉事業所で作成可能なものを作成頂きます。
●第2ステップ:新規コースの設立
全12回で12作品を作る「ソーシャルフラワーコース(仮称)」を設立します。12作品の全てで、福祉事業所で作成されたものを資材を取り入れます。
●第3ステップ:資格認定コースの設立
24作品を作り、資格認定していくコースです。24作品の資材をすべて福祉作業所で作成頂いたものを活用します。またその作成の背景を学ぶため、作成現場の見学や座学も行い、社会課題に取り組む人材の育成も行っていきます。
▲事業プラン図
■参加後の感想
株式会社フォーユーカンパニー
代表取締役 宮本 宏治 氏
今回参加してみて、福祉事業所ともっと一緒にできるビジネスモデルがまだまだあると感じました。ただし、当社は一般顧客へサービスを提供するため、福祉事業所さんに創って頂く商品の品質は一定のレベルは超えて頂かないといけないので、そのあたりが商品開発をする上での難しさを感じました。今後についても他の福祉事業所さんともコラボした商品を創っていきたいと思いますので、お互いできることはもちろん行いますが、お互いが既存の事業だけを見るのではなくもっと可能性を見ながら新しいビジネスモデルにもチャレンジしていきたいと思います。顧客に対しても付加価値が提供でき、福祉事業所さんの工賃もアップし、当社の成長にも繋がることを目指していきます。