日本文化を世界へ〜和装小物を訪日外国人へプレゼント〜
2018.12.3 mon
特定非営利活動法人国際和装文化実践協会×特定非営利活動法人暁会、社会福祉法人日本ヘレン・ケラー財団
■参加動機
きものは日本の伝統的な衣裳であり、世界に誇る文化です。しかし、洋装が一般的な現代においては、きもの市場は減少傾向にあります。それに伴い、和文化ならではの作法の継承もされづらくなっています。一方で保管や維持管理の手間がないレンタルの需要が高まっており、成人式や卒業式での振袖や袴はもとより、七五三や入学式などで、母娘できものを着る・もしくは着たいという人口は増加傾向にあります。レンタルの普及によって着ものが身近になったとしても、きものを美しく着せることができる方が不足しています。従来は、きものと着付け技能は、母から娘に受け継がれていくものでしたが、着もの離れにともない、家庭内での着付け技能の継承は著しく減少しています。きもの文化の発展と和文化の継承のためには、気軽にきものを着たい・楽しみたいという要望に応えることのできる着付け技能の継承が必要です。当協会では、日本の和装文化の伝承と実践を下支えしたいと考えています。具体的には、セミナーやレッスンを通じて日本の和装文化及び着付け技能の継承、WEBを利用した和装に関する情報を国内外に発信、他装技能の認定を通じて、きものの普及発展に寄与、きものを気軽に着るための着付け師の育成、着付けシーンを増やすことを目的として設立しました。
今回は外国人観光客向けの着物レッスンを企画している時に、他社との差別化及び事業を通した社会貢献を考える上で福祉との連携することでの可能性を感じ、参加をしました。
■企業課題とマッチング経緯
新規事業として、外国人旅行者の方のための着物・浴衣の着付け教室を企画していました。着物または浴衣の着方を学び、着た後は近くの日本庭園で写真撮影をするプランです。参加者には母国に帰ってからも着られるように、浴衣・帯・下駄と着方の教科書をプレゼントします。着物を着ない時でも、和の小物を楽しんで頂けるように、もう1点和小物をプレゼントしたいと考えていましたので、福祉事業所のみなさんからアイディアを募りました。そうすると、和柄の髪飾りやかんざし・アクセサリー、ポーチ、鞄などの案を頂き、試作をして頂くことになりました。現在は試作したものを、外国人留学生に見て頂き意見をもらったり、大きさや色・柄の打ち合わせを重ねている最中です。
▲ 試作品:あずま袋
▲ 試作品:折り鶴ピアス
■工賃向上プラン
【A】訪日観光客向けの浴衣着付体験
毎週月曜に最大6名に実施が可能です。
月4回×6名=24名/月→288名/年
和小物1点500~1,000円で発注します。
初年度は稼働率を30%と目標としていますので、
288名×30%=約86名
86名×500〜1,000円=43,000〜80,000円
【B】国内向け着付技術レッスン
1クールで週2回、最大10名の実施が可能です。
3クール行いますので、10名×3クール=30名が年間の生徒見込み数です。
帯締め1点1,000〜2,000円で発注します。
初年度は稼働率を40%と目標として、
30名×40%=12名
12名×1,000〜2,000円=12,000〜24,000円
▲ 事業プラン図
■事業プラン
事業プランとしては2種類あります。
【A】訪日観光客向けの浴衣着付体験
・体験プラン内で和小物1点プレゼント
・着付体験の場に和小物を展示販売
【B】国内向け着付技術レッスン
スターターキットとして帯締め(組み紐)
※現在企画中を販売
▲ 訪日観光客向けの浴衣着付体験の様子
■参加後の感想
特定非営利活動法人国際和装文化実践協会
理事長 星川 祐貴 氏
福祉未来価値創造大賞に参加させていただき、福祉事業所の現状や抱えている問題点などを知る機会となりました。また、現状を知るのみにとどまらず、当協会と福祉事業所との具体的な連携について計画することで、協会活動を通じた福祉への貢献に一歩を踏み出すことができました。協会活動自体に、目に見える形での福祉性という付加価値を与えることができるため、大きなPRポイントとなり差別化になると考えています。今後は、計画を実行に移していくために、福祉事業所との商品開発や協会活動を通じての商品販売に繋げていきたいと考えています。商品を通じて、より多くの方に福祉の現状に関心を寄せていただく機会になればと思っています。